奥深い犬ぞりの世界…初心者にも分かりやすい!犬種や用語の基礎知識 2016.10.25 犬ぞり
テレビや雑誌でたまに目にする、白銀の世界の雪道を数頭の犬が人の乗ったそりを引いて走る光景…。そんな別世界のお話のような感じがしてしまう犬ぞりですが、実は誰でも気軽に体験することができる身近なアクティビティなんです!
今回は、犬種やスタイル、専門用語など犬ぞりの世界を詳しくご紹介!これを読めば、あなたも犬ぞりに乗りたくなるはずですよ!
犬ぞりにはどんな犬種がいるの?
犬ぞりを牽いている犬たちは普段私たちの身の回りにいる犬とはちょっと違うように見えます。基本的に雪道での犬ぞりに用いられる犬の条件として、体重が20キkg後半~50kg程度あり、寒さに強いことが求められます。
そり犬一頭が牽くことができるのは、大体自分の体重と同じくらいの重さまで。例えば40kgのそり犬6頭牽きの場合、なんと240kgもの重量を運ぶことができるのです。
もちろん、体格が良ければ良いわけではありません。犬ぞり用の訓練をこなし、マッシャーと呼ばれる、そりに乗る人の指示を忠実に従うことができなければそり犬にはなれないのです。
そんな力持ちでお利口さんなそり犬たちの主な犬種をここで一部ご紹介。これを知っておけば、次に犬ぞりを見るときには違った目線で楽しめるかもしれません!
アラスカン・ハスキー
アラスカン・ハスキーはアメリカ合衆国のアラスカ州原産の犬ぞりレース用の犬。実はそり犬と俊足の犬種を交配させた様々な系統の犬の総称であり、正確にいうと犬種としては確立されていません。
より速く、より長く走れるようにと作り出されたアラスカン・ハスキーはそり犬に用いられることが最も多く、オオカミのようなスラリとした体格で、そりを牽く姿も様になります。
アラスカンハスキーの赤ちゃんを見せてもらいました❗
犬ソリは4日間も走り続けることができるそうです。
働き者だあ。
人懐っこさに驚きでした☺
赤ちゃんの母、名前はスター!大会で優勝経験もある凄い母!
犬ソリ協会会長のベックさんと? pic.twitter.com/irmacUKMuG— kahominami 南 果歩 (@kahominami) September 2, 2015
シベリアン・ハスキー
言わずと知れた人気の犬種でもあるシベリアン・ハスキー。カナダ北極圏を原産地としており、その温和な性格と見た目からペットや鑑賞犬としても定着しています。
元々は極寒の地でそりの牽引などに用いられてきた犬種なので、耐寒性と持久力はお墨付き。好奇心が強くいたずら好きな面がありますが、社会性も強いためそり犬などの集団行動にはぴったりです。
みんなでダッシュ!!#シベリアンハスキー pic.twitter.com/WtcKWfDyzI
— かるら と てら と さのつん (@solala3149) October 9, 2016
アラスカン・マラミュート
アラスカ州西部のスワード半島を主産地としているアラスカン・マラミュートは、マラミュート族によって飼育されていた労働犬で、見た目はシベリアン・ハスキーにそっくり。
シベリアン・ハスキーと比べるとやや胴長で丸みを帯びた体格をしており、やや小さめの立ち耳、茶色の目、巻き尾が特徴的。筋肉質で持久力があり、がっしりと安定感のある四肢を持つアラスカン・マラミュートはそり犬として理想的な犬種です。
カナディアン・エスキモー・ドッグ
カナディアン・エスキモー・ドッグはカナダの北極圏でイヌイットによって古くより飼育されてきた古代犬種。”エスキモーハスキー”や”キミック”とも呼ばれることも。
カナディアン・エスキモー・ドッグとシロクマ… 「半年にわたる絶食の末期でお腹ペコペコのはずなのに犬を食べようとせずニコニコと遊びたがる、犬を大切に扱っているのが伝わる不思議な光景でした。」自然写真作家 丹葉暁弥さん pic.twitter.com/F0BDQzmMAD
— こぺ (@mimicha102) February 24, 2014
外部の人に認知されるようになると急激に混血が進み、一時は純血の犬が200頭ほどまでに減少し、全滅寸前にまでなりましたが、現在ではブリーディングによって頭数を持ち直すことができています。
防寒に優れた厚い毛に覆われ、立ち耳にカールしたしっぽを持つ、日本犬にも多いスピッツタイプのカナディアン・エスキモー・ドッグ。
自分より上位と認めた者の命令しか従わない性格にあるため、初心者が扱うにはやや難しい面もありますが、スタミナが豊富にあるので長距離タイプとして大変優秀なそり犬です。
【番外編】樺太犬
樺太犬は樺太および千島列島で作り出された犬種で、かつてアイヌの人々が犬ぞりや猟犬として用いていました。
日本で昭和40年代くらいまでは様々な場面で活躍してきた樺太犬。南極地域観測隊で犬ぞりをひくために派遣され、南極に1年も置き去りにされたにも関わらず、生き延びたことで有名なタロとジロもこの犬種です。
稚内といえば、樺太犬。南極越冬隊の犬ぞり訓練が行われた場所だそうです。 pic.twitter.com/mET74ksBtv
— ほりどん (@pagunokotarou) September 24, 2016
車社会の繁栄とともに、あまり必要のなくなってしまった樺太犬は他犬種との混血で雑種化してしまったり、野犬化したものはエキノコックス発生時に行なわれた野犬討伐の対象になってしまい、1970年代には残念ながらほぼ全滅してしまいました。
現在はそり犬として走る姿が見れなくなってしまいましたが、かつて日本で人間のために様々な場面で活躍してくれた樺太犬は、忘れてはならない大切な存在です。
犬のつなぎ方
犬ぞりの犬のつなぎ方には大きく分けて2通りあります。一つは、”ファンタイプ”と呼ばれる、一頭ずつそりに直接繋ぐ方法。カナダ北部のイヌイット達に古くから伝わる方式で、犬たちが広がって走る様子が扇のように見えるため、”ファン(扇)”と名づけられました。
もう一つは”タンデムタイプ”と呼ばれる、2頭ずつを縦のラインで繋げるタイプ。幅を取らないため、森の中などの狭い山道や険しい地形を走るのにも適しています。
犬ぞりのレースや国内での犬ぞりツアーではタンデムタイプを採用している場所がほとんど。では、タンデムタイプについてもう少し詳しくお話しましょう!
犬ぞりにおける犬たちの役割分担
タンデムタイプの犬ぞりにおいて、犬たちはただ真っ直ぐに走り続けているわけではありません。各々のポジションによって役割があり、その役割を忠実に果たしながら厳しい雪道を進んでいるのです。
リードドッグ
リードドッグはその名の通り、先頭を切って走る前列の犬たち。犬ぞり全体の進路を決めていく重要な役割があるため、賢くて操縦者であるマッシャーに対して忠実であることが必要。
性格についても、直感力に優れ、物怖じせずに進むことができる犬が最適とされています。
ポイントドッグ
別名スイングドッグとも呼ばれており、リードドッグの後ろを走る犬を指します。チーム全体をまとめながら方向付けをしていく役割を担っており、足の速さとともにある程度のスタミナが要求されるポジションです。
スピードと体力を兼ね備えたバランスタイプの犬が最適といえるでしょう。
チームドッグ
チームドッグはポイントドッグと最後列のホイールドッグの間を走る犬。チーム全体の牽引力の底上げをしてくれるポジションです。
8頭牽きの場合はこのポジションがありますが、6頭牽きの場合はチームドッグは省略されます。
ホイールドッグ
ホイールドッグはそりに最も近い場所に位置する犬たち。操縦者であるマッシャーとそり犬たちの間の潤滑油のような役割を担っており、双方に対して協調性のある性格の犬が最適とされています。
また、縁の下の力持ちのような存在でもあるので、スタミナのある犬が選ばれることが多いようです。
マッシャーって何?
マッシャーとはそりに乗る操縦者を指し、その名称は犬に人や物を運ばせる”マッシング(mushing)”という言葉に由来しています。
マッシャーは基本的にそり犬を操作する際には指示語を用い、その指示語を聞いて犬たちは進路を進めていきます。
コマンドと呼ばれる指示語は統一されており、右に曲がるときは、「 GEE(ジー)」、左に曲がるときは「HAW(ハー)」など、使用するのは独自の言語です。
いざ犬ぞりツアーへ!
いかがでしたでしょうか?!これで犬ぞりの基本についてかなり詳しくなったはず!
「実際にそりに乗って操縦してみたい!」と思ったら、早速挑戦してみましょう!
国内で犬ぞり体験をするなら、北海道がおすすめ。ここで、人気の犬ぞり体験ツアーをご紹介します。
おすすめ犬ぞりツアー【アウトライダー・北海道犬ぞり体験】
北海道の紋別にある天狗平・白滝高原は冬になると一面真っ白な雪に覆われます。そんな白滝高原で犬ぞりツアーのサービスを提供している”アウトライダー”では、本格的な犬ぞり体験が可能!
ツアーは往復20kmの道のりを2~4頭のそり犬たちと共に旅するのですが、犬たちにハーネスを付けたり、そりに固定したりと、出発前の準備まで自分で行う本格仕様の内容。
もちろん、ツアーのスタート前にしっかりとガイドによるレクチャーがあるので心配はご無用。ツアー中もガイドが同行し、しっかりとサポートしてくれるので、分からないことや困ったとことが起こっても安心です。
ランチタイムには薪ストーブ付きのモンゴルの遊牧民が使うテント、”ゲル”の中で地元の食材をふんだんに使用したシチューが頂け、まるで異国を犬ぞりで冒険している気分になれます!
日常では絶対に体験できない事ばかりの犬ぞりツアーは、人生で一度は絶対にやっておきたいアクティビティの一つです。
■ 基本情報
・名称:アウトライダー 北海道(天狗平・白滝高原)犬ぞり
・集合場所:北海道紋別郡遠軽町白滝上支湧別235 アウトライダー犬舎(支湧別小学校跡 校舎)
・アクセス:JR白滝駅より送迎あり(※要予約)
・参加条件:小学4年~(※ガイドが同乗するという条件付きで、小学1年でも1ツアー1名まで参加可能)
・開催期間:12月中旬~3月末
・料金:19,980円~
今回は犬ぞりの犬種についてや基本的な内容を詳しくご紹介しましたが、犬ぞりの魅力はまだまだこんなものではありません!
「犬ぞりについてもっと知りたい!」と思ったら、実際にツアーに参加するのが一番の近道。さっそく北海道の犬ぞり旅行へ出発しましょう!
今回ご紹介したアウトライダー以外にも北海道で犬ぞり体験ができる場所はいくつかあります。アクティビティの予約サイト「そとあそび」には様々な犬ぞりツアーの申し込みを直接行うことが可能ですので、早速チェックしてみて下さいね!
【アクティビティの予約サイト「そとあそび」で北海道の犬ぞり体験ツアー一覧を探してみる!】
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